ジャズピアノを弾いてみたい方へ

ジャズはアメリカ発祥の素晴らしい芸術であり、その門戸は誰にでも開かれています。

では具体的に何をしたらジャズピアノが弾けるようになるのかというと、やらなければならない事は山ほどあり、しかも「ここまでやればジャズピアノは弾ける」と言う基準も無いのです。

ジャズの肝は即興演奏であり、どんなに素晴らしいミュージシャンでも一生涯を掛けた努力が必要です。反対に卓越した技術が身についていなくても楽しんで弾いていれば、音が踊り出す事もあります。

演奏者の気持ちが音に反映することが多いため、技術に凝り固まって演奏が硬くなるよりも、未熟であっても自信を持って楽しく弾いた方が聴いてる側も楽しく安心して聴けるものなのです。

しかし、即興演奏はデタラメとは違います。

完全なデタラメでは音楽にならないので、即興演奏の基礎力があるか無いかを判断する基準となるのがブルースの演奏力です。

ブルースはジャズのみならず、ロック、ポップス、R&B、ソウル、ファンクなど今日人々が耳にするほとんどの音楽の土台となっており、シンプルであるがゆえに誤魔化しが効かず、その人の持つ音楽的センスがダイレクトに伝わってきます。

そして音楽の王様は何と言ってもリズムです。

だからジャズを演ってみたい、挑戦してみたい、と言う方にはまず最初にリズムの基礎を身につけてもらう為にメトロノームを重視していただきます。

メトロノームは嘘をつきません。

音楽を気分良く奏でている間に自分だけリズムがズレていくのはメトロノームが壊れているのではなく、演奏者の感覚がズレているのであって、これが聴いている側との間に非常に不安なギャップを作ってしまいます。

逆に言えばリズムがしっかりしていれば、メロディやハーモニーは2の次となっても許されるくらいリズムを崩さない事が音楽にとっては重要なのです。

リズムの基礎をしっかり作る為にまず、メトロノームを友とするのが、ジャズだけでなく、すべての音楽そのものを楽しむ王道なのです。