· 

学校で音楽ができない

メトロノームと読書と打楽器
メトロノームと読書と打楽器のセット

今更ですが、なんとも大変な時代となってしまいました。学校では「集まって何かをする」という行為がことごとく禁止だそうで、体育も音楽もやらないようですね。

卒業式の歌の伴奏の練習をしていた子がいたのですが、卒業式そのものがどうなるかわからないらしく、歌はもちろん中止だそうです。

せっかく頑張って練習して仕上げてきましたが、なんともやりきれない思いです。

 しょげていても仕方ないので、ここで、心の訓練の大切さをイメージしてもらいました。

私は瞑想や呼吸の力を重視しており、意識的にピアノの訓練を通して呼吸を整え、心を落ち着かせ、時間をコントロールするための重要性を生徒によく話します。

この先、子どもたちはスマホを手にするようになり、コンピューターを使うようになり、SNSでコミュニケーションをとるようになりますよね。すると、今までのそれらのテクノロジーがなかった時代と比べて、恩恵がある反面、ストレスや重圧、詐欺などのマイナスの衝撃も大きなものがあるわけです。

そんなときに、心を落ち着けて冷静に対処できる方法を生徒たちに伝授することに力を注いでいます。すぐに体得できる訓練ではないので、何度も時間をかけて話していきます。

例えば信号を渡ろうとしたとき、急に赤になれば誰でもイラッと来ますが、訓練次第でこのような感情をコントロールできるようになるということなのです。これは大人でも難しいことで、しかし非常に重要なのです。

そのために色々な人や本を参考にしますが、最近私が良くイメージするのは、ブルース・リーの言葉ですね。そのブルース・リーは宮本武蔵の本をよく読んでいたと言います。

さらに、私はメトロノームを友とするように、よく話します。メトロノームは決して嘘をつくことなく、信頼できる重要な友です。私は日頃からこのメトロノームの音に集中することで瞑想状態に似た精神状態を作り出すことにとても多くの時間を注いでいます。

その時間をより多くとるために、打楽器を触りながら、読書をするシステムセットを作り、そのセットの前に何時間も座っています。

本当に必要なとき以外に、コンピューターやスマホ、タブレットを意識的に触らずに、メトロノームのゆっくりとした一定間隔の音と読書に集中し、さらにこれは時間をコントロールするための練習を兼ねているのです。

心に動揺や恐怖、怒りなどの感情が発生すると、自分の中の「時間」にズレが生じます。この時間のズレは音楽を破壊するだけでなく、生活のありとあらゆるところに影響を及ぼすのは言うまでもありません。 

 

次の記事:ピアノを弾く指の力はどう違うのか